第60回 午後 問1〜50

第60回臨床検査技師国家試験

問 1

迅速性が求められる検査はどれか.

  1. ALP
  2. 尿酸
  3. アルブミン
  4. トロポニンT
  5. 総コレステロール

4

問 2

仰臥位に比べて座位で上昇する血清成分はどれか.

  1. 尿酸
  2. 尿素
  3. グルコース
  4. カルシウム
  5. クレアチニン

4

問 3

X-−-R管理図法で管理するのはどれか. 2つ選べ.

  1. 標準液の劣化
  2. 検体採血過誤
  3. 測定値の正確さ
  4. パニック値の検出
  5. 試薬のロット間差

1 , 5

問 4

糖尿病性腎症の早期発見に有用な尿検査項目はどれか.

  1. ケトン体
  2. ヘモグロビン
  3. ミオグロビン
  4. ウロビリノゲン
  5. 微量アルブミン

5

問 5

尿沈渣にみられる結晶のうち病的成分はどれか.

  1. 尿酸
  2. シスチン
  3. 炭酸カルシウム
  4. リン酸カルシウム
  5. シュウ酸カルシウム

2

問 6

白色下痢便を呈する疾患はどれか.

  1. 赤痢
  2. 潰瘍性大腸炎
  3. サルモネラ腸炎
  4. ロタウイルス腸炎
  5. カンピロバクター腸炎

4

問 7

自家感染するのはどれか. 2つ選べ.

  1. 糞線虫
  2. 無鉤条虫
  3. 有鉤条虫
  4. 日本住血吸虫
  5. バンクロフト〈 Bancroft 〉糸状虫

1 , 3

問 8

成虫が門脈に寄生するのはどれか.

  1. 肝蛭
  2. 肝吸虫
  3. 広東住血線虫
  4. 日本住血吸虫
  5. ビルハルツ〈 Bilharz 〉住血吸虫

4

問 9

体毛に付着していた虫体 ( 体長1.2mm ) の写真を示す. 正しいのはどれか.

  1. ケジラミ
  2. ツツガムシ
  3. ヒゼンダニ
  4. アタマジラミ
  5. コロモジラミ

1

問 10

寄生虫疾患と検査法の組合せで正しいのはどれか.

  1. 回虫症 ──────── セロテープ肛囲検査
  2. マラリア ─────── 骨髄生検
  3. 糞線虫症 ─────── 飽和食塩水浮遊法
  4. アニサキス症 ───── 内視鏡検査
  5. 日本住血吸虫症 ──── 末梢血塗抹検査

4

問 11

虚血性心疾患のリスクファクターはどれか. 2つ選べ.

  1. 高LDLコレステロール血症
  2. 副甲状腺機能亢進症
  3. 甲状腺機能亢進症
  4. 2型糖尿病
  5. 肝硬変

1 , 4

問 12

採血に伴う血管迷走神経反射で正しいのはどれか.

  1. 顔面紅潮
  2. 血圧上昇
  3. 体温低下
  4. 脈拍減少
  5. 呼吸数増加

4

問 13

自己抗体と疾患の組合せで正しいのはどれか.

  1. 抗CCP抗体 ―――――――――――― 全身性エリテマトーデス
  2. 抗DNA抗体 ―――――――――――― 潰瘍性大腸炎
  3. 抗セントロメア抗体 ―――――――― 関節リウマチ
  4. 抗ミトコンドリア抗体 ――――――― 混合性結合組織病
  5. 抗アセチルコリン受容体抗体 ―――― 重症筋無力症

5

問 14

迅速検査キットで診断できるのはどれか.

  1. EBウイルス
  2. RSウイルス
  3. 風疹ウイルス
  4. 麻疹ウイルス
  5. サイトメガロウイルス

2

問 15

推算糸球体濾過量〈 eGFR 〉の計算に用いられるのはどれか.

  1. 身長
  2. 体重
  3. 尿量
  4. 年齢
  5. 腹囲

4

問 16

房室副伝導路が原因となるのはどれか.

  1. 心室細動
  2. 洞不整脈
  3. 異型狭心症
  4. WPW症候群
  5. 心室期外収縮

4

問 17

心電図を示す. 最も注意すべき合併症はどれか.

  1. 脳塞栓
  2. 狭心症
  3. 急性心膜炎
  4. 心タンポナーデ
  5. 閉塞性動脈硬化症

1

問 18

トレッドミル負荷試験について正しいのはどれか. 2つ選べ.

  1. 不安定狭心症は禁忌である
  2. 目標心拍数は体重で決める
  3. 誘導方法はNASA誘導を用いる
  4. 心筋梗塞のリハビリテーションの目安になる
  5. Bruce法では1分ごとに負荷量を増大させる

1 , 4

問 19

換気機能検査の指標の異常とその解釈の組合せで正しいのはどれか.

  1. 肺活量〈 VC 〉の低下 ― 肺胞低換気
  2. 全肺気量〈 TLC 〉の上昇 ― 肺の線維化
  3. 機能的残気量〈 FRC 〉の上昇 ― 肺の過膨張
  4. V25の低下 ― 中枢気道閉塞
  5. ピークフロー〈 PEF 〉の低下 ― 肺拡散能力の低下

3

問 20

静肺コンプライアンスについて正しいのはどれか.

  1. 加齢とともに低下する
  2. 間質性肺炎で上昇する
  3. 気管支喘息で低下する
  4. 心不全による肺うっ血で上昇する
  5. 慢性閉塞性肺疾患 ( 肺気腫型 ) で上昇する

5

問 21

酸塩基平衡の異常と動脈血ガス分析の所見の組合せで正しいのはどれか. ただし , ↑は上昇 , ↓は低下 , ~は正常を示す.

選択肢酸塩基平衡の異常PaCO2HCO3
1急性代謝性アシドーシス〜または↓
2急性呼吸性アシドーシス〜または↓
3急性呼吸性アルカローシス〜または↓
4慢性代謝性アシドーシス
5慢性呼吸性アシドーシス

1

問 22

72歳の男性. 40本 / 日の喫煙を50年近く続けている. 4~5年前から咳 , 痰および階段を昇るときの息切れがあり , 最近悪化したため受診した. 呼吸機能検査の結果を以下に示す.

動脈血ガス分析 ( 室内気 ) :pH 7.37 , PaO2 58 Torr , PaCO2 56 Torr , HCO3 38 mEq / 〈 mmol / l

強制努力呼出でのフローボリューム曲線を示す. 考えられる疾患はどれか.

  1. 間質性肺炎
  2. 気管支端息 ( 非発作時 )
  3. 睡眠時無呼吸症候群
  4. 甲状腺癌による気管狭窄
  5. 慢性閉塞性肺疾患〈 COPD 〉

5

問 23

機能と部位の組合せで正しいのはどれか.

  1. 言語中枢 ―――――― 脊髄
  2. 運動制御 ―――――― 小脳
  3. 交感神経中枢 ―――― 大脳
  4. 表在感覚中枢 ―――― 脳幹
  5. ホルモン分泌 ―――― 視床

2

問 24

脳波を示す. 考えられるのはどれか.

  1. 意識障害
  2. レム睡眠期
  3. てんかん発作
  4. 睡眠ステージ1
  5. 睡眠ステージ2

5

問 25

脳波所見と症状または疾患の組合せで正しいのはどれか.

  1. re-build up ― もやもや病
  2. 多棘徐波複合 ― 側頭葉てんかん
  3. 3 Hz棘徐波複合 ― ウェスト〈 West 〉症候群
  4. ヒプスアリスミア ― 欠神発作
  5. 6&14 Hz陽性棘波 ― 大発作てんかん

1

問 26

心臓の超音波断面像を示す. この断面が得られる探触子の位置は下図のどれか.

4

問 27 不適切問題 ( 解2つ )

心臓超音波検査において流速の評価が肺動脈圧の推定に用いられるのはどれか.

  1. 三尖弁逆流
  2. 僧帽弁逆流
  3. 僧帽弁狭窄
  4. 大動脈弁狭窄
  5. 肺動脈弁逆流

1 , 5

問 28

肋間走査による右上腹部の超音波像を示す. この患者において血中で増加している可能性が高いのはどれか.

  1. 血小板数
  2. アルブミン
  3. γ-グロブリン
  4. 総コレステロール
  5. コリンエステラーゼ

3

問 29

SI単位でないのはどれか.

  1. メートル [ m ]
  2. アンペア [ A ]
  3. パーセント [ % ]
  4. モル [ mo l]
  5. 秒 [ s ]

3

問 30

NADH溶液の光路長1cm , 測定波長340nmにおける吸光度は0.158であった. このNADH溶液の濃度に最も近いのはどれか. ただし , 340nmにおけるNADHのモル吸光係数は6.3×103 l・mol-1・cm-1 とする.

  1. 5μmol/l
  2. 25μmol/l
  3. 5 mmol/l
  4. 25 mmol/l
  5. 5 mol/l

2

問 31

免疫学的分析法で正しいのはどれか. 2つ選べ.

  1. 免疫比濁法では検量線が直線となる
  2. 免疫比ろう法では透過光の強度を測定する
  3. 蛍光免疫測定法には蛍光偏光を原理とするものを含む
  4. 競合法を原理とする酵素免疫測定法では検量線がシグモイド曲線となる
  5. 化学発光免疫測定法では4-メチルウンベリフェリルリン酸が利用される

3 , 4

問 32

K濃度がNa濃度より高いのはどれか.

  1. 血漿
  2. 間質液
  3. 細胞内液
  4. 脳脊髄液
  5. リンパ液

3

問 33

血中カルシウムで正しいのはどれか.

  1. 約50%はイオン型で存在する
  2. 基準範囲は3.6~4.4mg / dである
  3. 低アルブミン血症では偽高値を示す
  4. アルカローシスではイオン型が増加する
  5. 副甲状腺ホルモン〈 PTH 〉の作用で低下する

1

問 34

HDLの主要アポ蛋白はどれか.

  1. アポA1
  2. アポB100
  3. アポC2
  4. アポC3
  5. アポE

1

問 35

高コレステロール血症をきたす疾患はどれか. 2つ選べ.

  1. Addison病
  2. Cushing症候群
  3. LCAT欠損症
  4. 肝硬変
  5. ネフローゼ症候群

2 , 5

問 36

短期の栄養指標として用いられる血漿蛋白はどれか.

  1. アルブミン
  2. ハプトグロビン
  3. セルロプラスミン
  4. トランスサイレチン
  5. α1-アンチトリプシン

4

問 37

直接ビリルビンが上昇するのはどれか.

  1. 新生児黄疸
  2. 閉塞性黄疸
  3. 溶血性貧血
  4. Gilbert症候群
  5. Crigler-Najjar症候群

2

問 38

LDについて正しいのはどれか. 2つ選べ.

  1. 半減期はLD1が最も短い
  2. 心筋にはLD1が最も多く含まれる
  3. 肝細胞にはLD2が最も多く含まれる
  4. 4つのアイソザイムが知られている
  5. 2種類のサブユニットからなる4量体である

2 , 5

問 39

日本臨床化学会〈 JSCC 〉の勧告法による酵素活性測定において可視部測定項目はどれか. 2つ選べ.

  1. ALP
  2. AST
  3. CK
  4. γ-GT
  5. LD

1 , 4

問 40

イタイイタイ病の原因となる金属はどれか.

  1. 亜鉛
  2. 水銀
  3. クロム
  4. カドミウム

5

問 41

血漿レニン活性が低値を示すのはどれか.

  1. Addison病
  2. 原発性アルドステロン症
  3. 腎血管性高血圧症
  4. 脱水
  5. 利尿薬服用

2

問 42

Basedow病による甲状腺機能亢進症で上昇するのはどれか.

  1. CK
  2. ALP
  3. TSH
  4. 血清クレアチニン
  5. LDL-コレステロール

2

問 43

ビタミンについて正しいのはどれか.

  1. ビタミンD3は破骨作用を有する
  2. ビタミンB12は分子中にMnを含む
  3. ニコチン酸はNADの構成成分である
  4. トコフェロールは水溶性ビタミンである
  5. β-カロチンはビタミンEの前駆物質である

3

問 44

放射性同位元素でないのはどれか.

  1. 13C
  2. 3H
  3. 125I
  4. 32P
  5. 201Tl

1

問 45

腺房細胞を有するのはどれか. 2つ選べ.

  1. 肝臓
  2. 胸腺
  3. 甲状腺
  4. 膵臓
  5. 唾液腺

4 , 5

問 46

細胞の電子顕微鏡写真を示す. 矢印で示すのはどれか. ただし , 枠内は矢印の構造物を拡大している.

  1. 粗面小胞体
  2. グリコーゲン
  3. ゴルジ〈 Golgi 〉装置
  4. ライソゾーム
  5. ミトコンドリア

5

問 47

胃組織のH-E染色標本を示す. 矢印で示す部分にみられるのはどれか.

  1. アポトーシス
  2. 過形成
  3. 化生
  4. 変性
  5. 肥大

3

問 48

自己免疫疾患でないのはどれか.

  1. 糖原病
  2. 橋本病
  3. 皮膚筋炎
  4. 関節リウマチ
  5. 重症筋無力症

1

問 49

悪性腫瘍はどれか.

  1. 血管腫
  2. 膠芽腫
  3. 線維腫
  4. 神経鞘腫
  5. 平滑筋腫

2

問 50

H-E 染色標本を示す. 診断として正しいのはどれか.

  1. 肺炎
  2. 肺癌
  3. 肺気腫
  4. 肺結核
  5. 肺うっ血

4

画像の出典:厚生労働省 第60回臨床検査技師国家試験問題および正答について 午後 別冊

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