第62回 午前 問1〜問50

第62回臨床検査技師国家試験

問 1

特定の薬剤の効果や副作用を投与前に予測するための検査はどれか.

  1. 緊急検査
  2. 負荷検査
  3. 診察前検査
  4. コンパニオン検査
  5. スクリーニング検査

4

問 2

ISO15189による臨床検査室の継続的な品質管理の つのサイクルに含まれないのはどれか.

  1. 計画 ( plan )
  2. 分析・評価 ( check )
  3. 対応策実施 ( action )
  4. 検査実施・精度管理 ( do )
  5. 施設間比較 ( comparison )

5

問 3

検査部門の管理と運営において正しいのはどれか.

  1. 最新機器はメンテナンスが不要である
  2. 採血後の針はリキャップして廃棄するのが望ましい
  3. 検査終了後の血液は感染性産業廃棄物として廃棄する
  4. 外来採血時には患者名による呼び出しが義務化されている
  5. 検査マニュアルは検査の臨床的意義についてまとめたものである

3

問 4

髄液採取時の出血で検体中に血液が混入した. 赤血球補正による髄液細胞数算定の式として正しいのはどれか. ただし , 1 μL中の髄液実測細胞数をA , 髄液赤血球数をB , 末血赤血球数をC , 末血白血球数をDとする.

1.A−B×C/D

2.A−B×D/C

3.A−C×D/B

4.A−C / ( B×D )

5.A−D / ( B×C )

2

問 5

尿検体を室温で 時間放置した場合の変化で誤っているのはどれか.

  1. pHは酸性化する
  2. 比重は高値になる
  3. ブドウ糖は減少する
  4. ビリルビンは減少する
  5. 尿沈渣中の赤血球は減少する

1

問 6

輸血で感染しうるのはどれか. 2つ選べ.

  1. Lambl鞭毛虫
  2. 赤痢アメーバ
  3. トキソプラズマ
  4. トリパノソーマ
  5. クリプトスポリジウム

3 , 4

問 7

19歳の女性. 5日前から1日おきの周期的な発熱を認め渡航者外来を受診した. 末梢血のGiemsa染色薄層塗抹標本を示す. この患者が罹患した感染症はどれか.

  1. 熱帯熱マラリア
  2. 三日熱マラリア
  3. 四日熱マラリア
  4. 卵形マラリア
  5. サルマラリア

2

問 8

皮膚に付着していた虫体 ( 体長0.4mm ) の写真を示す. この虫が引き起こすのはどれか.

  1. 疥癬
  2. ライム病
  3. 発疹チフス
  4. ツツガムシ病
  5. 重症熱性血小板減少症候群

1

問 9

DNAのシークエンス解析に用いないのはどれか.

  1. プライマー
  2. 逆転写酵素
  3. DNAポリメラーゼ
  4. デオキシヌクレオシド三リン酸
  5. 蛍光標識ジデオキシヌクレオシド三リン酸

2

問 10

遺伝病と遺伝形式の組合せで正しいのはどれか. 2つ選べ.

  1. 血友病 − 常染色体劣性遺伝
  2. 鎌状赤血球症 − 常染色体優性遺伝
  3. 尋常性魚鱗癬 − 伴性劣性遺伝
  4. Huntington病 − 常染色体優性遺伝
  5. フェニルケトン尿症 − 常染色体劣性遺伝

4 , 5

問 11

Fallot四徴症でみられるのはどれか.

  1. 左室肥大
  2. 心房中隔欠損
  3. 僧帽弁狭窄
  4. 大動脈解離
  5. 肺動脈狭窄

5

問 12

高コレステロール血症を合併しやすい疾患はどれか.

  1. ACTH単独欠損症
  2. 亜急性甲状腺炎
  3. 甲状腺機能低下症
  4. 副甲状腺機能亢進症
  5. Addison病

3

問 13

動脈硬化性疾患予防ガイドラインに基づく脂質異常症の診断として誤っているのはどれか.

  1. Friedewald式は食後のLDL-コレステロール評価に有用である
  2. HDL-コレステロール35mg/dLは低HDL-コレステロール血症である
  3. LDL-コレステロール170mg/dLは高LDL-コレステロール血症である
  4. 食後の検体ではnon-HDL-コレステロールによる評価が有用である
  5. トリグリセライド180mg/dLは高トリグリセライド血症である

1

問 14

痰の検体のGram染色所見で赤色の球菌がみられた. 可能性のある細菌はどれか.

  1. Haemophilus influenzae
  2. Moraxella catarrhalis
  3. Pseudomonas aeruginosa
  4. Staphylococcus aureus
  5. Streptococcus pneumoniae

2

問 15

膠原病と自己抗体の組合せで正しいのはどれか.

  1. Sjögren症候群 − 抗Sm抗体
  2. 関節リウマチRA − 抗DNA抗体
  3. 強皮症 − 抗Scl-70抗体
  4. 混合性結合組織病MCTD − 抗Jo-1抗体
  5. 全身性エリテマトーデスSLE − 抗RNP抗体

3

問 16

心周期で心室収縮期はどれか. 2つ選べ.

  1. 駆出期
  2. 緩速充満期
  3. 急速充満期
  4. 等容弛緩期
  5. 等容収縮期

1 , 5

問 17

心電図を示す. 正しいのはどれか.

  1. 上室頻拍
  2. 心室細動
  3. 心房粗動
  4. 交流障害
  5. 呼吸による基線の動揺

3

問 18

血圧測定結果を以下に示す. 右側の足関節上腕血圧比ABIで正しいのはどれか.

  1. 0.92
  2. 0.96
  3. 1.00
  4. 1.04
  5. 1.08

3

問 19

各種ガスの体内における移動について正しいのはどれか.

  1. 二酸化炭素の運搬に赤血球は関与しない
  2. 一酸化炭素の肺拡散能は酸素と同等である
  3. 酸素は主に血漿中の溶存酸素として運ばれる
  4. 一酸化炭素のヘモグロビン親和性は酸素より低い
  5. 酸素解離曲線の左方シフトは末組織における酸素解離を促進する

2

問 20

Gaenslerの一秒率の算出に用いるのはどれか.

  1. 肺活量
  2. 努力肺活量
  3. 予測一秒量
  4. 予測肺活量
  5. 予測努力肺活量

2

問 21

肺胞気-動脈血酸素分圧較差〈 A-aDO2 〉が正常で低酸素血症を呈するのはどれか. 2つ選べ.

  1. シャント
  2. 拡散障害
  3. 肺胞低換気
  4. 高地での測定
  5. 換気血流不均等分布

3 , 4

問 22

超音波検査において体表からの観察に用いる周波数が最も低い臓器はどれか.

  1. 乳腺
  2. 心臓
  3. 脾臓
  4. 膵臓
  5. 前立腺

2

問 23

病態と心臓超音波検査所見の組合せで誤っているのはどれか.

  1. 心囊液貯留 − 心周囲の無エコー
  2. 僧帽弁逸脱 − 僧帽弁の収縮期前方運動
  3. 拡張型心筋症 − 左室駆出率の低下
  4. 大動脈弁狭窄 − 左室流出路の流速増加
  5. 非閉塞性肥大型心筋症 − 左室の非対称性肥大

2

問 24

心窩部斜走査による上腹部の超音波像を示す. 矢印で示すのはどれか.

  1. 左肝静脈
  2. 中肝静脈
  3. 右肝静脈
  4. 門脈左枝
  5. 門脈右枝

4

問 25

腎囊胞の超音波所見はどれか.

  1. 不整形
  2. 表面不整
  3. 境界不明瞭
  4. 内部無エコー
  5. 後方エコー減弱

4

問 26

頭部MRI検査による脳梗塞の診断で誤っているのはどれか.

  1. T1強調像で低信号を示す
  2. T2強調像で低信号を示す
  3. CTに比べ脳幹部梗塞の描出が容易である
  4. 5mm程度の大きさの梗塞巣も明瞭に描出される
  5. 拡散強調像によって急性期脳梗塞の早期診断ができる

2

問 27 不適切問題 ( 解2つ )

覚醒・睡眠脳波で瘤波がみられる時期はどれか.

  1. 覚醒時
  2. 入眠期
  3. 軽眠期
  4. 深睡眠期
  5. レム睡眠期

2 , 3

問 28

末神経の誘発筋電図で正しいのはどれか. 2つ選べ.

  1. 重症筋無力症では運動神経の伝導ブロックを呈する
  2. Guillain-Barré症候群では運動神経伝導速度が低下する
  3. 反復刺激検査は筋萎縮性側索硬化症の確定診断に用いる
  4. Lambert-Eaton症候群では反復刺激で漸増現象がみられる
  5. 感覚神経伝導検査の測定には複合筋活動電位〈 CMAP 〉を用いる

2 , 4

問 29

核に含まれる酵素はどれか.

  1. 乳酸脱水素酵素
  2. DNAポリメラーゼ
  3. Na・K-ATPアーゼ
  4. シトクロムオキシダーゼ
  5. グルコース-6-ホスファターゼ

2

問 30

測定波長が340nmでないのはどれか。

  1. ウリカーゼ・ペルオキシダーゼ法による尿酸の測定
  2. 日本臨床化学会〈 JSCC 〉勧告法によるLD活性の測定
  3. ウレアーゼ・グルタミン酸脱水素酵素法による尿素窒素の測定
  4. ヘキソキナーゼ・グルコース-6-リン酸脱水素酵素法によるグルコースの測定
  5. グルコキナーゼ・グルコース-6-リン酸脱水素酵素法によるマグネシウムの測定

1

問 31

ポイント・オブ・ケア・テスティング〈 POCT 〉の対象とならないのはどれか.

  1. 血糖
  2. インスリン
  3. プロカルシトニン
  4. ヒト絨毛性ゴナドトロピン〈 hCG 〉
  5. 脳性ナトリウム利尿ペプチド〈 BNP 〉

2

問 32

2価鉄〈 Fe2+〉 を含有するのはどれか.

  1. ヘム
  2. フェリチン
  3. ヘモジデリン
  4. トランスフェリン
  5. プロトポルフィリンⅨ

1

問 33

単糖類はどれか.

  1. スクロース
  2. マルトース
  3. ラクトース
  4. アカルボース
  5. フルクトース

5

問 34

糖代謝において糖新生のみに関与するのはどれか.

  1. ピルビン酸
  2. オキサロ酢酸
  3. 3-ホスホグリセリン酸
  4. フルクトース-6-リン酸
  5. グリセルアルデヒド-3-リン酸

2

問 35

リン脂質の含有比が最も高い血清リポ蛋白はどれか.

  1. カイロミクロン
  2. VLDL
  3. IDL
  4. LDL
  5. HDL

5

問 36

血中半減期が最も短いのはどれか.

  1. CRP
  2. アルブミン
  3. ハプトグロビン
  4. セルロプラスミン
  5. トランスフェリン

1

問 37

クレアチン・クレアチニンについて正しいのはどれか.

  1. クレアチンは環状化合物である
  2. クレアチンは活性メチレン基をもつ
  3. クレアチンが脱水してクレアチニンとなる
  4. クレアチニナーゼはクレアチンを加水分解する
  5. クレアチニンの酵素的測定法ではアスコルビン酸の共存で正誤差となる

3

問 38

日本臨床化学会〈 JSCC 〉勧告法による酵素活性測定で吸光度の減少を測定するのはどれか. 2つ選べ.

  1. CK
  2. LD
  3. ALP
  4. ALT
  5. AST

4 , 5

問 39

EDTA加血漿で測定すると , 血清に比べて活性が大きく低下するのはどれか.

  1. LD
  2. AST
  3. ALP
  4. ALT
  5. γ-GT

3

問 40

血中薬物モニタリング〈 TDM 〉の対象となる条件として正しいのはどれか.

  1. 有効血中濃度域が広い
  2. 体内動態に個人差が大きい
  3. 投与量と血中濃度が比例する
  4. 血中濃度と薬効の発現に相関がない
  5. 血中濃度に依存せず重篤な副作用が出現する

2

問 41

心臓から分泌されるホルモンはどれか.

  1. グレリン
  2. レプチン
  3. ガストリン
  4. バソプレッシン
  5. 脳性ナトリウム利尿ペプチド〈 BNP 〉

5

問 42

病態と血中濃度が低下するホルモンの組合せで正しいのはどれか.

  1. 尿崩症 − レニン
  2. 橋本病 − カルシトニン
  3. Addison病 − ACTH
  4. Basedow病 − TSH
  5. Cushing症候群 − コルチゾール

4

問 43

ビタミンと欠乏により生じる病態の組合せで正しいのはどれか.

  1. ビタミンA − 結膜乾燥症
  2. ビタミンB1 − 悪性貧血
  3. ビタミンC − 血液凝固障害
  4. ビタミンD − 脚気
  5. ビタミンK − 骨軟化症

1

問 44

インスリン負荷試験で増加するのはどれか.

  1. LH
  2. GH
  3. FSH
  4. TSH
  5. プロラクチン

2

問 45

蛋白合成に関与するのはどれか.

  1. 中心小体
  2. ゴルジ装置
  3. リソソーム
  4. リボソーム
  5. ミトコンドリア

4

問 46

胃組織のH-E染色標本を示す. みられる変化はどれか.

  1. 萎縮
  2. 壊死
  3. 化生
  4. 変性
  5. 過形成

3

問 47

循環障害と原因の組合せで正しいのはどれか.

  1. 脾梗塞 − 脾静脈血栓
  2. 脾うっ血 − 肝硬変
  3. 肺うっ血 − 右心不全
  4. 肺脂肪塞栓 − 潜函病
  5. 肺動脈塞栓 − 下肢動脈血栓

2

問 48

肉芽腫性疾患はどれか.

  1. 慢性膵炎
  2. クローン病
  3. 化膿性虫垂炎
  4. ウイルス性肝炎
  5. 線維素性胸膜炎

2

問 49

小児に多くみられる悪性腫瘍はどれか.

  1. 膠芽腫
  2. 大腸癌
  3. 神経芽腫
  4. 腎細胞癌
  5. 多発性骨髄腫

3

問 50

脱灰で正しいのはどれか.

  1. 試料を容器の底に沈める
  2. 低温では脱灰時間が短い
  3. ヘマトキシリンが染まりやすくなる
  4. 酸性脱灰液では容器の蓋を開けておく
  5. 脱灰液は交換のたびに濃度を高くする

4

画像の出典:厚生労働省 第62回臨床検査技師国家試験問題および正答について 午前 別冊1

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