第56回 午後 問1~問50

第56回臨床検査技師国家試験

問 1

採血後 , 氷冷しながら直ちに検査室に提出する検査項目はどれか.

  1. アンモニア
  2. カリウム
  3. グルコース
  4. クレアチニン
  5. LD

1

問 2

蓄尿の保存剤に塩酸を用いるのはどれか.

  1. hCG
  2. 17-OHCS
  3. ポルフィリン体
  4. Bence-Jones蛋白
  5. バニリルマンデル酸 ( VMA )

5

問 3

成人において基準範囲の性差が大きいのはどれか.

  1. 尿酸
  2. グルコース
  3. アミラーゼ
  4. カルシウム
  5. トリグリセリド

1

問 4

血液検査のパニック値 ( 緊急異常値 ) として報告すべきなのはどれか. 

  1. カルシウム 14. 8 mg / dl
  2. 血糖 180 mg / dl
  3. AST 210 U / l
  4. Na 145 mEq / l
  5. K 3.1 mEq / I

1

問 5

尿沈渣染色法でペルオキシダーゼ反応を利用するのはどれか.

  1. ズダンIII法
  2. ベルリン青法
  3. ステルンハイマー法
  4. プレスコット・ブロディ法
  5. ステルンハイマー・マルビン法

4

問 6

次の文により6 , 7の問いに答えよ.  

尿の沈渣標本を示す. 矢印で示すのはどれか.

  1. 移行上皮
  2. 変形赤血球 
  3. 卵円形脂肪体
  4. ビリルビン結晶
  5. シュウ酸カルシウム結晶

3

問 7

この患者でみられる検査所見はどれか. 2つ選べ.

  1. 末梢血白血球数 18,000 / μl
  2. 血清アルブミン 2.1 g / dl
  3. 血清総ビリルビン 3.5 mg / dl
  4. 血清総コレステロール 285 mg / dl
  5. 血清CRP 9.8 mg / dl

2 , 4

問 8 不適切問題 ( 解2つ )

組合せで正しいのはどれか. 

  1. サシチョウバエ−バンクロフト糸状虫
  2. ハマダラカ−マレー糸状虫
  3. メマトイ−イヌ糸状虫
  4. サシガメ−常在糸状虫
  5. ブユ−回旋糸状虫

2 , 5

問 9

Sabin-Feldmanの色素試験で診断するのはどれか.

  1. 赤痢アメーバ症
  2. 腟トリコモナス症
  3. トキソプラズマ症
  4. クリプトスポリジウム症
  5. クルーズトリパノソ ーマ症

3

問 10

体長350 μmの幼虫体がみられた喀痰のパパニコロウ染色標本を示す. 考えられるのはどれか.

  1. 回虫
  2. 鉤虫
  3. 糞線虫
  4. 広東住血線虫 
  5. 東洋毛様線虫

3

問 11

刺激伝導の異常によるのはどれか. 2つ選べ.

  1. 心房粗動
  2. LGL症候群
  3. 洞房ブロック
  4. 心室性期外収縮
  5. 発作性上室性頻拍

2 , 3

問 12

組合せで正しいのはどれか.

  1. 尿崩症−血清Na低下
  2. Addison病−血清K低下
  3. 甲状腺機能亢進症−血清Ca低下
  4. 副甲状腺機能低下症−尿中Ca排泄増加
  5. 原発性アルドステロン症−尿中K排泄増加

5

問 13

組合せで正しいのはどれか.

  1. 百日咳−末梢血リンパ球減少
  2. 気管支喘息−肺活量増加
  3. 間質性肺炎−肺拡散能低下
  4. カンジダ肺炎−菌球形成
  5. サルコイドーシス−血清アンジオテンシン変換酵素活性低下

3

問 14

食餌中の脂質から合成されるリポ蛋白はどれか.

  1. カイロミクロン
  2. 超低比重リポ蛋白
  3. 中間比重リポ蛋白
  4. 低比重リポ蛋白
  5. 高比重リポ蛋白

1

問 15

腫瘍マーカーで正しいのはどれか.

  1. CEAは喫煙者で低値となる
  2. PSAは肝細胞癌で高値となる
  3. CA125は悪性リンパ腫で高値となる
  4. CA19-9は肺扁平上皮癌で高値となる
  5. PIVKA-IIはワルファリン内服患者で高値となる

5

問 16

心電図を示す. 所見で正しいのはどれか.

  1. 洞房ブロック
  2. I度房室ブロック
  3. 完全房室ブロック
  4. Mobitz II型房室ブロック
  5. Wenckebach型房室ブロック

3

問 17

組合せで誤っているのはどれか.

  1. レイノー病−指尖容積脈波
  2. 僧帽弁狭窄症−ヒス束心電図
  3. 心室性不整脈−加算平均心電図
  4. 下肢動脈狭窄−足関節上腕動脈血圧比 ( ABI )
  5. 大動脈弁狭窄症−頸動脈波

2

問 18

酸素解離曲線で正しいのはどれか.

  1. 体温が上昇すると左方移動が起こる
  2. 代謝性アシドーシスでは右方移動が起こる
  3. 二酸化炭素を吸入すると左方移動が起こる
  4. 酸素分圧が高いほど曲線の傾きは急峻になる
  5. 左方移動に伴いヘモグロビンから酸素が放出される

2

問 19

メサコリン吸入による気道過敏性検査で正しいのはどれか.

  1. 気管支喘息発作の重症度判定に用いる
  2. 検査の直前に気管支拡張薬を吸入させる
  3. 努力肺活量 ( FVC ) の減少の程度で気道過敏性を判定する
  4. 1秒量 ( FEV1 ) の40%以上の低下は検査中止の基準である
  5. メサコリン吸入前に生理食塩水を吸入させてコントロール値を得る

5

問 20

静肺コンプライアンス ( Cst ) で正しいのはどれか.

  1. 加齢とともに低下する
  2. 肺線維症では上昇する
  3. 気管支喘息では低下する
  4. 測定は機能的残機量位 ( FRCレベル ) から0.5 l吸息位で行う
  5. 測定は被験者に飲み込ませた圧測定バルーンを胃内に留置して行う

4

問 21

パルスオキシメータで測定した経皮的動脈血酸素飽和度 ( Spo2 ) で正しいのはどれか. 2つ選べ.

  1. 測定前に数回深呼吸をさせる
  2. 健常人では80〜90%の値を示す
  3. 70〜100%の範囲では精度が保たれる
  4. 一酸化炭素中毒では正確な測定ができない
  5. 高温環境下では測定前に使用する指を冷水で冷やす

3 , 4

問 22

次の文により22 , 23の問いに答えよ.

46歳の男性. 3時間前から意識障害をきたしている. 脳波を示す. 正しいのはどれか.

  1. 三相波
  2. 陽性棘波
  3. 棘徐波複合
  4. 棘波位相逆転
  5. 周期性一側性てんかん形放電

1

問 23

意識状態がさらに悪化した. 脳波で出現が予想されるのはどれか.

  1. K複合波
  2. α波の抑制
  3. 対称性の紡錘波
  4. δ波の広汎性持続
  5. 高振幅β波の持続

4

問 24

健常者において評価すべき波形が刺激後10ミリ秒以内に出現するのはどれか. 2つ選べ.

  1. 視覚誘発電位
  2. 体性感覚誘発電位 
  3. 聴覚脳幹誘発電位
  4. 下腿三頭筋で記録したH波
  5. 長橈側手根伸筋で行った運動神経複合筋活動電位

3 , 5

問 25

末梢神経の誘発筋電図で正しいのはどれか.

  1. 反復刺激検査は多発性硬化症の確定診断に用いる
  2. 感覚神経伝導検査の測定には複合筋活動電位 ( CMAP ) を用いる
  3. ギラン・バレー ( Guillain-Barré ) 症候群では運動神経伝導速度は低下する
  4. 重症筋無力症では低頻度反復刺激で複合筋活動電位 ( CMAP ) 振幅が漸増する
  5. ランバート・イートン ( Lambert-Eaton ) 症候群では反復刺激で漸減現象がみられる

3

問 26

肝臓の超音波検査を示す. 矢印の領域が高輝度であった. 調整が必要なのはどれか.

  1. ゲイン ( gain )
  2. パワー ( power )
  3. フォーカシング ( focusing )
  4. STC ( sensitivity time control )
  5. ダイナミックレンジ ( dynamic range )

4

問 27

心臓の超音波検査でMモード法が診断に重要なのはどれか. 2つ選べ.

  1. 左心不全
  2. 僧帽弁狭窄
  3. 動脈管開存
  4. 心室中隔欠損
  5. 肺動脈弁閉鎖不全

1 , 2

問 28

超音波検査で食後に最も描出不良となるのはどれか.

  1. 肝臓
  2. 脾臓
  3. 膵臓
  4. 腎臓
  5. 虫垂

3

問 29

検査項目と採血容器への添加物の組合せで正しいのはどれか.

  1. ACTH−フッ化ナトリウム
  2. Ca−EDTA
  3. 乳酸−過塩素酸
  4. 血液ガス−クエン酸塩
  5. アンモニア−シュウ酸塩

3

問 30

pHメータのpH 4較正用緩衝液はどれか.

  1. 炭酸緩衝液
  2. リン酸緩衝液 
  3. ホウ酸緩衝液 
  4. フタル酸緩衝液
  5. グリシン緩衝液

4

問 31

銅を輸送する主要な血漿蛋白はどれか.

  1. アルブミン
  2. ヘモグロビン 
  3. ハプトグロビン
  4. トランスフェリン 
  5. セルロプラスミン

5

問 32

糖尿病のコントロール不良時に血中で低下するのはどれか.

  1. ケトン体
  2. フルクトサミン
  3. グリコアルブミン
  4. グリコヘモグロビン
  5. 1 , 5-アンヒドログルシトール

5

問 33

空腹時の血液検査で総コレステロール226 mg / dl , HDL-コレステロール55 mg / dl , 中性脂肪165 mg / dlであった. Friedwaldの計算式でLDL-コレステロール値 ( mg / dl ) はどれか.

  1. 52
  2. 91
  3. 118
  4. 138
  5. 184

4

問 34

蛋白質で正しいのはどれか.

  1. 血漿中に約30種存在する
  2. 小腸で最も多く合成される
  3. 正常の髄液には検出されない
  4. 生体を構成する最大の成分である
  5. ペプチドやアミノ酸として吸収される

5

問 35

次の文により35 , 36の問いに答えよ.

65歳の男性. 血液検査で血清総蛋白9.0 g / dl , アルブミン3.0 g / dlであった. 血清蛋白分画像を示す.

認められる所見はどれか.

  1. Mタンパク
  2. β-γブリッジング
  3. γ-グロブリン分画の減少
  4. α2-グロブリン分画の増加
  5. β-グロブリン分画の先鋭化

2

問 36

この患者で予測される検査結果はどれか. 2つ選べ.

  1. PT短縮
  2. IgA低下
  3. 血小板数減少
  4. アンモニア低下
  5. コリンエステラーゼ低下

3 , 5

問 37

酵素法でクレアチニンを測定する際に用いられるのはどれか. 2つ選べ.

  1. ウリカーゼ
  2. ウレアーゼ
  3. クレアチニナーゼ
  4. サルコシン酸化酵素
  5. イソクエン酸脱水素酵素

3 , 4

問 38

EDTA加血漿で測定すると , 血清に比べて活性が大きく低下するのはどれか.

  1. ALP
  2. ALT
  3. AST
  4. CK
  5. LD

1

問 39

日本臨床化学会 ( JSCC ) 常用基準法で共役酵素を用いないのはどれか.

  1. アミラーゼ
  2. ALT
  3. AST
  4. CK
  5. LD

5

問 40

LDについて正しいのはどれか. 2つ選べ.

  1. 半減期はLD1が最も短い
  2. 心筋にはLD1が多く含まれる
  3. 4つのアイソザイムが知られている
  4. 肝細胞にはLDが多く含まれる
  5. 2種類のサブユニットからなる4量体である

2 , 5

問 41

ペプチドホルモンはどれか. 2つ選べ.

  1. アドレナリン
  2. インスリン
  3. エストラジオール
  4. カルシトニン
  5. サイロキシン

2 , 4

問 42

性腺ホルモンはどれか. 2つ選べ.

  1. オキシトシン
  2. コルチゾール
  3. プロゲステロン
  4. テストステロン
  5. アルドステロン

3 , 4

問 43

LDの補酵素はどれか.

  1. ナイアシン
  2. パントテン酸
  3. ビタミンB
  4. ビタミンB6
  5. ビタミンB12 

1

問 44

半減期8日の放射性同位元素の放射能が1 / 8になるのはどれか.

  1. 8日後
  2. 16日後
  3. 24日後
  4. 48日後
  5. 64日後

3

問 45

次の文により45 , 46の問いに答えよ.

組織のH-E染色標本を示す. 骨格筋との共通点はどれか. 2つ選べ.

  1. 横紋がある
  2. 介在板がある
  3. 不随意筋である
  4. 過剰な負荷によって肥大する
  5. 核の位置は細胞の中央にある

1 , 4

問 46

この組織に特殊染色を行った. 組合せで正しいのはどれか. 2つ選べ.

  1. PTAH染色−青色
  2. ムチカルミン染色−赤色
  3. マッソン・フォンタナ染色−黒色
  4. マッソン・トリクローム染色−赤色
  5. エラスチカ・ワンギーソン染色−赤色

1 , 4

問 47

組合せで正しいのはどれか. 2つ選べ.

  1. CMV−乳癌
  2. EBV−バーキットリンパ腫
  3. HCV−胆嚢癌
  4. HIV−成人T細胞白血病
  5. HPV−子宮頸癌

2 , 5

問 48

悪性腫瘍はどれか.

  1. ボーエン ( Bowen ) 病
  2. バセドウ ( Basedow ) 病
  3. バージャー ( Buerger ) 病
  4. クッシング ( Cushing ) 病
  5. パーキンソン ( Parkinson ) 病

1

問 49

出血性梗塞を起こしやすいのはどれか. 2つ選べ.

  1. 心臓
  2. 大腸
  3. 脾臓
  4. 腎臓

2 , 3

問 50

脱灰で誤っているのはどれか.

  1. EDTAが用いられる
  2. 硬組織に用いられる
  3. 免疫染色での抗原性が低下する
  4. 液の濃度が高ければ染色性は上昇する
  5. 液の温度が高ければ脱灰に要する時間は短い

4

画像の出典:厚生労働省 第56回臨床検査技師国家試験問題および正答について 午後 別冊

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