第58回 午前 問1~問51

第58回臨床検査技師国家試験

問 1

採血に伴う血管迷走神経反射で正しいのはどれか.

  1. 頻脈を呈する
  2. 顔面が紅潮する
  3. 血圧が低下する
  4. 意識消失はみられない
  5. 発症時は頭を高くして休ませる

3

問 2

毒物及び劇物取締法で劇物に指定されているのはどれか. 2つ選べ.

  1. 水銀
  2. 塩酸
  3. シアン化合物
  4. アジ化ナトリウム
  5. 水酸化ナトリウム

2 , 5

問 3

細菌培養を目的に採取された検体と保存温度の組合せで正しいのはどれか.

  1. 便−室温
  2. 喀痰−4℃
  3. 髄液−4℃
  4. 中間尿−室温
  5. 尿道分泌物−4℃

2

問 4

トレーサビリティ連鎖と校正の階層段階について誤っているのはどれか.

  1. 最上位の測定法は一次基準測定操作法である
  2. 二次校正物質は二次基準測定操作法で値づける
  3. 日常試料の測定は製造業者製品校正物質で校正する
  4. トレーサビリティ連鎖には不確かさが表記されている
  5. 不確かさの大きさは日常検査法が最も小さい

5

問 5

60歳の女性の方が20歳の女性よりも高値を示すのはどれか.

  1. カルシトニン
  2. プロラクチン〈 PRL 〉
  3. 卵胞刺激ホルモン〈 FSH 〉
  4. 甲状腺刺激ホルモン〈 TSH 〉
  5. 副腎皮質刺激ホルモン〈 ACTH 〉

3

問 6

尿沈渣のSternheimer染色標本を示す. 認められるのはどれか.

  1. 顆粒円柱
  2. 脂肪円柱
  3. 上皮円柱
  4. 赤血球円柱
  5. 白血球円柱

4

問 7

肺炎球菌による髄膜炎の髄液検査所見でみられるのはどれか.

  1. 髄液圧 80 mmH2O
  2. 外観 黄色透明
  3. 糖 20 mg / dl
  4. 蛋白 30 mg / dl
  5. クロール 130 mEq / l

3

問 8

ヒトに経皮感染するのはどれか.

  1. Westerman肺吸虫
  2. 日本住血吸虫
  3. 横川吸虫
  4. 肝吸虫
  5. 肝蛭

2

問 9

心窩部の激痛を訴える患者の上部消化管内視鏡検査で虫体を確認した. 虫体の写真を示す. この寄生虫はどれか.

  1. 回虫
  2. 旋毛虫
  3. アニサキス
  4. ズビニ鉤虫
  5. エキノコックス

3

問 10

バンクロフト糸状虫のミクロフィラリアを検出するための採血時間帯として適切なのはどれか.

  1. 6時〜9時
  2. 10時〜13時
  3. 14時〜17時
  4. 18時〜21時
  5. 22時〜1時

5

問 11

一次救命処置はどれか.

  1. 導尿
  2. 胸骨圧迫
  3. 昇圧薬投与
  4. 静脈路確保
  5. 心電図モニタリング

2

問 12

下垂体後葉から分泌されるのはどれか.

  1. 成長ホルモン〈 GH 〉
  2. 抗利尿ホルモン〈 ADH 〉
  3. 卵胞刺激ホルモン〈 FSH 〉
  4. 甲状腺刺激ホルモン〈 TSH 〉
  5. 副腎皮質刺激ホルモン〈 ACTH 〉

2

問 13

バナナの摂取で上昇するのはどれか.

  1. 癌胎児性抗原〈 CEA 〉
  2. 血漿レニン活性〈 PRA 〉
  3. 副甲状腺ホルモン〈 PTH 〉
  4. バニリルマンデル酸〈 VMA 〉
  5. 脳性ナトリウム利尿ペプチド〈 BNP 〉

4

問 14

I型アレルギーを引き起こすのはどれか.

  1. IgA
  2. IgD
  3. IgE
  4. IgG
  5. IgM

3

問 15

血清コリンエステラーゼ活性が低下するのはどれか.

  1. 鉛中毒
  2. 水銀中毒
  3. ヒ素中毒
  4. 有機リン中毒
  5. カドミウム中毒

4

問 16

心電計の特性で正しいのはどれか. 2つ選べ.

  1. 弁別比は60 dB未満である
  2. 接地抵抗線は0.1Ω以下である
  3. 患者保護回路のヒューズは5 mAである
  4. 周波数特性は90〜200 Hzにおける振幅が95〜105%の範囲にある
  5. 時定数は校正用電圧の3.2秒後の振れを100%として1 / eの高さまでの時間を表す

2 , 3

問 17

心拍数が60回 / 分の健常成人の心電図でみられるのはどれか. 2つ選べ.

  1. P幅 0.2秒
  2. PQ間隔 0.3秒
  3. QRS幅 0.1秒
  4. QT時間 0.5秒
  5. R-R間隔 1.0秒

3 , 5

問 18

心電図を示す. 平均電気軸で最も近いのはどれか.

  1. −30度
  2. 0度
  3. 45度
  4. 90度
  5. 180度

4

問 19

運動負荷心電図検査で正しいのはどれか. 2つ選べ.

  1. 双極四肢誘導のみ記録すればよい
  2. STが2 mm以上低下すれば中止する
  3. トレッドミル運動負荷試験中の血圧測定は必要ない
  4. マスター負荷試験の昇降回数は年齢 , 性別および体重で求められる
  5. マスターダブル負荷試験はシングルと同じ昇降回数で3分間実施する

2 , 4

問 20

フローボリューム曲線について正しいのはどれか.

  1. 横軸に時間を , 縦軸に肺気量をとる
  2. 閉塞性肺疾患では上方に凸の呼出曲線がみられる
  3. ピークフローは被験者の努力に関係なく再現性がある
  4. V50V25よりも末梢側気道の気流制限の程度を反映する
  5. 複数回の測定で , FVCとFEV1.0とが最も大きい測定値を採用する

5

問 21

血液ガス分析装置で実測されるのはどれか. 2つ選べ.

  1. pH
  2. SaO2
  3. HCO3
  4. Paco2
  5. Base Excess

1 , 4

問 22

終夜睡眠ポリグラフィで正しいのはどれか.

  1. REM睡眠時には急速眼球運動はみられない
  2. 脳波上の覚醒は睡眠呼吸障害の重症度とは関係しない
  3. non REM睡眠では , 睡眠ステージ4はステージ1よりも浅い睡眠である
  4. 無呼吸指数は , 10秒以上持続する無呼吸が1時間当たりに出現する回数である
  5. 経皮的動脈血酸素飽和度が90%以下になったら検査を中止しなければならない

4

問 23

大脳皮質運動野の神経細胞の軸索が通過しない部位はどれか.

  1. 内包
  2. 側索
  3. 前索
  4. 錐体交叉
  5. 神経筋接合部

5

問 24

14 Hzの連続する波を認める脳波を示す. 所見として正しいのはどれか.

  1. 呼びかけると返事をする
  2. 薬剤の影響による速波である
  3. てんかん性の波が出現している
  4. 急速眼球運動が持続的に出現している
  5. K複合波が出現している睡眠段階である

5

問 25

大脳誘発電位を示す. 考えられるのはどれか.

  1. 視覚誘発電位
  2. 事象関連電位
  3. 聴覚脳幹誘発電位
  4. 上肢刺激体性感覚誘発電位
  5. 下肢刺激体性感覚誘発電位

3

問 26

超音波の伝播速度が最も大きいのはどれか.

  1. 肝臓
  2. 骨格筋
  3. 皮下脂肪

1

問 27

超音波検査で正しいのはどれか.

  1. 伝播媒質は空気が適している
  2. サイドローブは虚像の原因となる
  3. 周波数が高いと深部の像が鮮明になる
  4. パルス幅を大きくすると分解能が高まる
  5. パルスドプラ法は高速血流の測定に適している

2

問 28

左腎の超音波縦断面像を示す. 矢印で示す病変の超音波所見で正しいのはどれか.

  1. 形状は不整である
  2. 境界は明瞭である
  3. 内部は高エコーである
  4. 辺縁に低エコー帯を認める
  5. 後方エコーは減弱している

2

問 29

日内変動が小さいのはどれか. 2つ選べ.

  1. 中性脂肪
  2. 血漿浸透圧
  3. 血清カルシウム
  4. 血漿グルコース
  5. 血漿コルチゾール

2 , 3

問 30

正しいのはどれか.

  1. 溶血によって血清AST活性は上昇する
  2. 全血冷蔵保存によって乳酸値は低下する
  3. 血清鉄は夜間の方が早朝よりも高値を示す
  4. 血清アルブミンは立位の方が臥位よりも低値を示す
  5. ヘパリン採血した血漿中のカルシウムは低値を示す

1

問 31

免疫化学的測定において偽陽性反応を示すのはどれか.

  1. 地帯現象
  2. 異好性抗体
  3. 電気浸透現象
  4. 光量補正効果
  5. 分子ふるい効果

2

問 32

低アルブミン血症で検査値の補正が必要なのはどれか.

  1. ナトリウム
  2. カリウム
  3. クロール
  4. カルシウム
  5. 無機リン

4

問 33

血漿浸透圧への寄与が最も大きいのはどれか.

  1. 無機リン
  2. アルブミン
  3. カルシウム
  4. ナトリウム
  5. マグネシウム

4

問 34

血糖測定について正しいのはどれか.

  1. 毛細管血よりも静脈血の方が高値を示す
  2. フッ化ナトリウムはムタロターゼを阻害する
  3. グルコースオキシダーゼはα-D-グルコースに作用する
  4. グルコキナーゼはグルコースとマンノースとに作用する
  5. ヘキソキナーゼはD-グルコースのα , β型の両方に作用する

5

問 35

室温下で血清を静置した. LCATによって生じる変化はどれか.

  1. 中性脂肪の減少
  2. 遊離脂肪酸の減少
  3. グリセロールの増加
  4. 遊離型コレステロールの減少
  5. リゾホスファチジルコリン〈 リゾレシチン 〉の減少

4

問 36

血漿蛋白について正しいのはどれか.

  1. α1-アンチトリプシンは炎症で低値となる
  2. ハプトグロビンは溶血性貧血で高値となる
  3. トランスサイレチンは低栄養で低値となる
  4. トランスフェリンは鉄欠乏性貧血で低値となる
  5. フェリチンはヘモクロマトーシスで低値となる

3

問 37

アンモニアについて正しいのはどれか.

  1. 筋肉でリン酸化される
  2. 溶血で血漿中濃度が上昇する
  3. TCA回路によって解毒される
  4. プリン体の最終代謝産物である
  5. 食物摂取によって血中濃度が低下する

2

問 38

血清CKについて正しいのはどれか.

  1. 4℃で保存すると失活しない
  2. 甲状腺機能亢進症では高値を示す
  3. 男性よりも女性の方が高値を示す
  4. 多発性筋炎ではCK-BBが上昇する
  5. 急性心筋梗塞ではLDよりも早く上昇する

5

問 39

酵素の分類の組合せで正しいのはどれか.

  1. CK−水解酵素
  2. LD−酸化還元酵素
  3. ALP−酸化還元酵素
  4. アミラーゼ−転移酵素
  5. コリンエステラーゼ−転移酵素

2

問 40

免疫抑制薬はどれか. 2つ選べ.

  1. フェニトイン
  2. タクロリムス
  3. バンコマイシン
  4. シクロスポリン
  5. プロカインアミド

2 , 4

問 41

インスリンで正しいのはどれか.

  1. 核内受容体に結合する
  2. ステロイドホルモンに分類される
  3. 消化管の内分泌細胞から分泌される
  4. 分解を受けてC-ペプチドが産生される
  5. 筋肉におけるグルコースの取り込みを促進する

5

問 42

低ナトリウム血症をきたすのはどれか. 2つ選べ.

  1. 尿崩症
  2. Addison病
  3. Cushing症候群
  4. 原発性アルドステロン症
  5. 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群〈 SIADH 〉

2 , 5

問 43

ICG残存率の5分 , 10分 , 15分値をプロットした図を示す. ICG消失率として最も近いのはどれか. ただし , 消失率は0.693を半減期 ( 分 ) で除した値とする.

  1. 0.051
  2. 0.180
  3. 0.217
  4. 0.395
  5. 0.803

2

問 44

遺伝子検査とその目的の組合せで正しいのはどれか. 2つ選べ.

  1. RT-PCR法−DNAの定量
  2. RFLP法−遺伝子多型の解析
  3. サザンブロット法−mRNAの解析
  4. ノーザンブロット法−DNAの解析
  5. in situハイブリダイゼーション法−組織での遺伝子発現の局在

2 , 5

問 45

H-E染色標本を示す. この臓器はどれか.

  1. 気管
  2. 食道
  3. 大腸
  4. 尿管

4

問 46

横紋筋がみられるのはどれか.

  1. 心臓
  2. 胆管
  3. 膀胱
  4. 子宮

1

問 47

臓器の構造・機能について正しいのはどれか.

  1. 食道は気管の腹側に位置する
  2. 胸腺は新生児よりも成人の方が大きい
  3. 副腎は内分泌部と外分泌部とを有する
  4. 血液酸素分圧は肺動脈よりも肺静脈の方が低い
  5. 肝臓の全血流量の半分以上は門脈から供給される

5

問 48

循環障害でないのはどれか.

  1. 化生
  2. 虚血
  3. 梗塞
  4. 塞栓
  5. 浮腫

1

問 49

胃癌で正しいのはどれか. 2つ選べ.

  1. スキルス癌〈 硬癌 〉は予後が良い
  2. 早期癌にはBorrmann分類を用いる
  3. 胃ポリープは前癌病変であることが多い
  4. 卵巣への転移素をKruckenberg腫瘍という
  5. 早期癌の定義ではリンパ節転移の有無を問わない

4 , 5

問 50

固定液と組成の組合せで正しいのはどれか. 2つ選べ.

  1. ブアン液−エタノール
  2. カルノア液−メタノール
  3. PLP固定液−パラホルムアルデヒド
  4. 等張ホルマリン−炭酸カルシウム
  5. 中性緩衝ホルマリン−第一リン酸ナトリウム

3 , 5

画像の出典:厚生労働省 第58回臨床検査技師国家試験問題および正答について 午前 別冊

《 第58 午前:問51〜問100の問題はこちら

タイトルとURLをコピーしました